この動画で詳しく説明しているよ!
新年が始まったばかりのこの日、私たちの中庭はまだ冬の厳しさに包まれていました。
でも、この日から始まった作業は、予想外の発見と、心身ともに試される一日となったのです。
中庭ドッグラン計画、いよいよ始動
今日の目標は、中庭を本格的に開墾すること。
そのためにご近所さんからツルハシを借りて、庭に生えている木の抜根、謎のモジャモジャ植物の整理。
一旦この庭を、何の植物も存在しない更地に戻します。びっしりと庭を埋め尽くす植物にめまいを覚えながらの作業スタートです。
実際に借りてきたツルハシを手にしてみると、その重さと頼もしさに身が引き締まります。
昔の工事現場のおっちゃんは、こんな重いものを振り回して地面を掘っていたんだなぁ。
この細い木の根を力ずくで引き抜いたり、硬くなった土を掘ったり。やっぱり適切な工具があると、本当に作業がはかどります。
私が持っているのは、コメリで買った1000円くらいのスコップ一つだけだったので、ツルハシも欲しくなっちゃいます。
庭の作業、めちゃくちゃ地味なんですが、めちゃくちゃ辛いんです。動画のタイムラプスで見ると一瞬で庭の草が消えてるように見えるけどね・・・
毎日の作業で腰が痛くなるし、手には豆ができます。
爪も真っ黒。石鹸でいくら洗っても爪は黒いまま・・・
月1回ネイルサロンに通っていた手や指がみるみる荒れていきます・・・これが「古民家やめとけ」と言われる理由の一つなんだろうな、と何度も思いました。
セルフビルドやDIYの美しい話を聞くことはありますが、実際の現場は泥臭く、肉体的にはかなり厳しい。美意識も徐々に失われていくような気がして、このままで私大丈夫なんだろうかと不安になります。
延々と続く抜根作業
まず目の前にあるのは、お正月後の草むしりで露出した地面。
その上に散乱する、前回切った植物の残骸や様々な物たちです。
葉蘭、あじさい、細い木たち、そして石
中庭は想像以上にごちゃごちゃしていました。
葉蘭という大きな植物の株が何株もあって、その根はもじゃもじゃと複雑に絡み合っています。
ただ掘り出すだけでは足りず、根を露わにするまで力ずくで引っぱないといけません。
あじさいもありました。しかも沢山の株がランダムにそこら中に点在しているのです。
きっと前に住んでいたおばあちゃんは紫陽花好きな人だったんだろうなと、抜根するには心が痛みます。
咲いている花も素敵なので、別の場所に移植することにしました。水仙も同様です。
掘り上げて、丁寧に別の場所に移植していく。植物たちもこの改修の一部なんだと思いながら。
そして厄介なのが石です。大小様々な石が土に埋まっていました。
スコップで掘って、拾って、また掘って。この繰り返しが延々と続きます。
細い木たちも、見た目以上に根が張っていて、一本を抜くのに予想外の時間がかかります。力ずくで引っぱるんですが、「筋肉のストライキ」状態。もっと筋肉があったらなあ、と何度も思いました。
昔、何かの本で罪人の刑の執行として、穴を掘らせて、掘らせた穴を埋めさせて、また掘らせて・・・という作業を延々とさせるというものを読みました。
庭作業をしていた私のメンタルは恐らく、その罪人と同じだったと思います。
防草シートの撤去という地道な作業
中庭の地面には、昔敷かれたのであろう防草シートが残っていました。
ドッグランにするには、これを全部剥がさなければなりません。
このシートがとにかく劣化していて・・・繊維はボロボロに崩れていて、固定していたピンは腐食して、力を入れても抜けません。手作業で丹念に剥がしていく。
こういう地道で見栄えのしない作業が、改修には不可欠なんです。
しかも剥がした防草シートはそのままゴミでは捨てられないそうで、さらに脱力・・・。
50センチ四方にカットして、透明な袋に入れて、村のクリーンセンターに持っていかなければ処理して盛らないんだって。
この家の庭や畑に敷かれている防草シート、一体何メートルあるのか。たぶん500メートルくらい?
衝撃:枯れた松の木でシロアリを発見
午前中の作業を進めていくなかで、中庭に立ったままの枯れた松の木に目がとまりました。
結構大きな木なので残しておくと、ドッグラン的にはすごく邪魔。
枯れているし、朽ちてもいるから楽勝で抜根できそう!・・と、掘っていると、やわらかい感触を感じました。「ん?なんかやわらかくない?」
それは、シロアリでした。大量に。
ショック:古民家の現実
シロアリを実際に目にするのは初めて。マンションには白蟻いないもん。
今まで「シロアリなんて話だけだろう」くらいの認識だったんですが、目の前で見るのは全く違う。
松は枯れたから食べられたのか、食べられたから枯れたのか、その因果関係は分かりません。
でも、一つの現実が突きつけられました。自分たちの古民家には、シロアリが存在する。
古民家でよく言われる「シロアリ問題」。
これまではニュースや記事の中の話だったんです。
でも、自分の家で目の当たりにするのは全く違います。
その瞬間、「古民家やめとけ」という言葉が、リアルな説得力を持ってきたんです。
ホームセンターへの緊急購入と現実
すぐにホームセンターに向かい、シロアリ撃退スプレーを購入。
効果があるのか甚だ疑問ではありますが、松の木に吹きかけて白蟻退治。
正直なところ「これで本当に大丈夫なのかな」という疑問が払拭できません。
素人が缶スプレーで対処できるような問題では、きっとないんでしょう。気休めにしかならなそうです。
本格的なシロアリ対策には、専門業者による施工が必要だと言われています。
でも費用がかかるし、今この段階では松の木は後回しにすることにしました。
古民家との付き合い方の中で、今後考えなければならない大きな課題が増えました。
午後へ、気温低下と雪
午後になると、気温が下がっていくのが実感できました。
手がかじかむし、足も冷える。そして雪が降り始めます。
なんでこんな悪天候な日に、私は庭をせっせと掘っているんだろう・・・気を抜くと虚無が私の体を包み、ダークサイドに飲み込まれてしまいそうです。
暖房のガンガン聞いた部屋で生ビールを飲みながら、ネットフリックスを見てだらだらしたい・・・チルしたいし、スローにライフしたい。
でも逆に、この欲望が「やらなきゃ進まない」という思いを強くさせます。
何もしなければ、中庭はこのままです。だから動くしかない。
ダークサイドの淵を覗き込む私の都内で、ふくちゃんは私のマスクを盗んで行ってしまいました。怪盗ふくすけ・・・こんな小さなことでも、作業の中では気分転換になります。
すさまじい突風の中で
午後の突風はもう本当に凄まじい。神はどれだけの試練を私に与えるおつもりなのだ~と天を葵でプラトーンごっこしちゃいそうになるくらい、絶望の暴風。
引っぱっている苗を突風が奪おうとしているのかと思うくらい。それでも、小さな木の根たちは予想以上に強いんです。一本一本、力を込めて引っぱります。
寒すぎて手の感覚がなくなるたびに休憩、ふくちゃんと遊びながらも、頭の片隅には「やらなきゃ進まない」という焦りがあります。雪も降っているし、気温も下がっているし。
でも、こういう環境の中での作業こそが、古民家改修のリアルなんだと思います。お洒落なDIY生活どこいった!?
葉蘭のモジャモジャの根っこ、紫陽花の乾いた茎、水仙のニンニクみたいな球根、取り憑かれたように次々に処分していきます。
疲労のピークと小さな喜び
夜が近づく頃には、もうほとんど力が残っていません。
動きも遅くなり意識も遠く遠くの方に感じます。最後の力を振り絞るような状態です。
明日からはもう歩けないかもしれないってくらいの疲労感。
でも脳は冴えているという不思議な感覚・・・朝から晩まで、こういう肉体労働をしていると、ナチュラルハイのような状態に陥ってくるんですよね。カカッているというのかな?
肉体労働の後の栄養補給タイム。
こういうときの熱燗とおはぎの味は、何ものにも代え難いんです。
おはぎも日本酒も基本的には米と米。炭水化物の塊ですが、疲れた体には本当に染み渡ります。
古民家でめちゃくちゃに疲れてハイカロリーを摂取する。古民家での暮らしって、こういうことです(笑)どういうこと!?
次へ、続く
中庭はまだまだやることが残っています。特に、あのシロアリが出てきた枯れた松の木。
次はいよいよこれを抜根せねばー!!
じめじめした中庭も別にあります。離れの改修も春頃から始めたいし、優先順位をつけながらコツコツと進めていくしかありません。
でも、こういう過程の中に、古民家との真の付き合い方があるんだと思います。
きれいごとではなく、泥臭く、肉体的にもきつく、でも確実に自分たちの手で家が変わっていく。
その過程そのものが、何ものにも代え難い価値になっている。
だから続けるんです。この世界は好都合に未完成だから。











